BEFORE

樹脂加工においては、機器に組み込まれるような部品のほか、厳しい寸法公差が必要ないような、メッキを行う際に使う治具などのワークも加工することがあります。こうしたワークは例えば厚みなどの寸法が機能上必須ではないケースが多いため、この部分に寸法や精度などの制約を求めると、加工の手間がかかりコストアップになってしまいます。

AFTER

メッキ用の治具などにおいて寸法や精度が機能上重要でない場合は、その治具を設計する際には余分な加工工程を踏まないようにすることが大切です。具体的には、ワークの厚みおよび径などに特段の意味がない場合は、素材のままの寸法にしておき、面粗さなども指定しないようにします。こうした細かい配慮の積み重ねが、大きなコストダウンに繋がるのです。

POINT

例えばMCナイロンであれば、厚みは、5mm、10mm、15mmなどで流通しています。15mmを指定した場合は、素材そのままを使用できますが、12mmの場合は、材料に対してフライス加工を行わなければなりません。従って、設計時には(必要ない場合は)なるべく素材そのものの寸法を活かすようにすることがコストダウンへの近道です。