ユニレートは、ユニチカ㈱が製造するエンジニアリングプラスチックであり、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を主原料に、ガラス短繊維とマイカ等を充填複合したペレットを、押し出し成形した後に加熱積層プレスを行って作られる、特殊な樹脂材料です。積層して製造されることから、押し出し・固化して製造される他の樹脂材料に比較して、様々な特性を持っています。

その特徴とは、例えば切削加工精度(低反り、快削、低線膨張係数)や寸法安定性(低吸水率、低歪み)が優れていたり、あるいは剛性が高い(PETにガラスフィラーを添加)、絶縁性も高い(最高クラスの絶縁破壊強度 37KV/mm)という特徴もあります。さらに耐薬品性(有機溶剤・希酸・鉱油への耐性あり)が優れているという側面もあります。

加えて、標準グレードの他に、難燃グレード(UL規格V-0取得)や帯電防止グレードもラインナップされており、用途や使用環境に応じて、様々なものに展開することができます。

 

<ユニレートへの置き換え事例>

①紙ベークライトや布ベークライトからの置き換え

→ベークライト系の材料はユニレートと同様に積層して製造されているので反りは比較的少ないですが、ユニレートの方がさらに寸法安定性が高く、反りにくい特性を持っています。低反りや寸法安定性を求めるセットであれば、ベークライト系よりユニレートを採用することでメリットが享受できます。

 

②MCナイロン・キャストナイロンからの置き換え

→切削加工におけるMCナイロンの寸法公差は、±0.05程度ですが、ユニレートは寸法安定性が高く加工精度を向上させることができるので、加工内容にもよりますが、±0.01~0.02までの精度まで高めることができます。

 

③金属(アルミ、SUS)からの置き換え

→金属から樹脂への置き換えは主に軽量化を目的に行われます。この際に問題になるのは、あまりにも樹脂が硬く、相手側の金属や樹脂に傷をつけてしまうことです。ユニレートは対象物に傷が付きにくく、かつ剛性も高いとされており、金属からの置き換えに適しています。

 

④PPSからの置き換え

→詳細は下記リンクを参照ください。

https://jushi-gomu-sessaku.com/vave/1033/