アルミなどの金属を用いた機械部品において、その部品が使用されている機器自体の軽量化、あるいは部品自体の耐摩耗性や摺動性などを高めることを目的として、アルミから樹脂に材質を変更することがあります。しかし、アルミなどの金属の寸法公差は、そのまま樹脂に適用できないケースがあります。
軽量化、耐摩耗性アップ、摺動性アップを目的として、機械部品をアルミなどの金属から樹脂に変更する場合は、採用する樹脂に合わせて寸法公差を見直すことが必要です。例えばＭＣナイロンとＰＰＳでは、切削加工においで出せる寸法精度に差があり、かつ他の金属よりも寸法精度を出しにくくなります。従って、樹脂切削加工においては、アルミなどの金属よりも寸法精度を緩める、あるいは見直すことが必要です。そうすることで、リーズナブルに樹脂加工を行うことが可能となります。
POINT
アルミやステンレスなどの金属は、切削加工で達成できる寸法精度は±0.01程度は可能ですが、樹脂の場合はこの限りではありません。一般的にPPSを切削した場合であれば±0.01程度、MCナイロンであれば±0.1程度になります。こうした材料ごとの特性を理解しておくと、コストを押さえながら設計を行うことが可能となります。
