BEFORE

樹脂切削において、PPSは高精度に切削が可能な上、耐熱性や耐薬品性も高いため、幅広い工業製品に使用されています。しかし、コスト面に関しては比較的高価なので、形状面でのVEを図ったとしても限界があります。

AFTER

PPSを使った樹脂切削品のコストダウンが必要な場合は、代替材料としてユニレートを検討します。コスト面に関しては、ユニレートはPPSの約1/5程度であることに加え、機能面に関しては、耐熱性は劣りますが(PPS:220℃、ユニレート120℃)、PPSよりも反りが少ない(積層構造で製造しているため)というメリットもあります。使用環境や状況によってPPSからユニレートに置き換えることができれば、大きなコストダウン効果が期待できます。

POINT

ユニレートは、PET樹脂をガラス繊維・フィラーなどを混ぜ合わせた原材料を押し出し成形した後、加熱積層プレスを行った樹脂です。従って、切削加工精度・寸法安定性・剛性が優れているという特徴があります。もちろん、PPSに完全に置き換えられるような機能(特に耐熱性や耐薬品性)はありませんが、コストが非常に安いというメリットがあります。こうしたメリットを最大限に活かせるよう材料段階から見直すことが、真のVE設計・コストダウンに繋がります。