BEFORE

耐熱性樹脂としてPEEKやテフロンなどがありますが、これらの樹脂は他の汎用樹脂あるいは耐熱性樹脂よりも機能性が高いため、様々な環境下で使用することが可能です。その反面、素材自体が高価なので、例えば形状や精度などを変更していくらコストダウンを検討しても、それなりの効果は期待できますが、限界があります。

AFTER

耐熱性樹脂のコストダウンを行うには、まず本当に必要な温度を見極め、それに対応できる樹脂を選択していくことが近道です。例えばMCナイロンは、汎用品のMC901なら120℃までしか持ちませんが、MC602STであれば150℃まで耐熱性があり、かつテフロン等より安価になります。耐熱性のほか耐薬品性なども考慮しなければならないケースもありますが、設計上・使用上求められる条件にちょうどあった素材・樹脂を選択することが余計なコスト上昇を回避することに繋がります。

POINT

樹脂は強度、耐熱性、耐薬品性、切削加工性、絶縁性など、材質によって様々な特性を有しています。従って、これらをすべて理解して設計し採用していくことが必要ですが、これらを全て設計者の方々が押さえるのは困難です。従って、こうした情報は、樹脂を取り扱う加工業者などに「これまで同じような用途で採用したケースはあるか」など問い合わせた上でテストを行い、材料を選択すると効率的な設計が可能となります。